長島・大野・常松法律事務所/弁護士
長島・大野・常松法律事務所/弁護士に関連する発言32件(2024-05-30〜2024-05-30)。登壇議員1人。関連する会議録を横断的に参照できます。
最近のトピック:
担保 (187)
企業 (106)
価値 (71)
事業 (64)
金融 (56)
発言一覧
| 発言者 | 肩書 | 院 | 日付 | 会議名 |
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| 井上聡 |
役割 :参考人
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参議院 | 2024-05-30 | 財政金融委員会 |
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○参考人(井上聡君) 皆さん、こんにちは。本日は、貴重な機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
実は、先日も、企業価値担保について衆議院の財務金融委員会で参考人として議員の先生方の前でお話し申し上げる機会がございました。大変光栄なことではありましたけれども、正直なところ、緊張の余り訳が分からないうちに終わってしまったという印象でございます。ですので、せっかく機会をいただきましたから、本日は少し落ち着いてお話をしたいと思っております。よろしくお願いいたします。
それでは、早速私の意見を申し述べます。
まず、現状の課題についてです。配付いただいている資料の三ページを御覧ください。
資金を借りようとする成長企業から見ますと、業容の拡大中は売上げよりも先に支出が増加しますので、資金需要は大きいと言えます。しかし、安定した換価価値を見込める不動産を持っていない場合、こういう
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| 井上聡 |
役割 :参考人
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参議院 | 2024-05-30 | 財政金融委員会 |
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○参考人(井上聡君) 御質問ありがとうございます。
おっしゃるとおり、企業価値の評価というのは非常に難しくて、見立てによって大きくぶれるというのもおっしゃるとおりだと思います。
それで、その金融機関の中に、貸せるといいますか、成長企業であってそれなりに評価できると考えた場合に、その金融機関はなぜ担保が必要なんだという御質問ですけれども、そういった企業評価を手を掛けてするのに見合ったビジネスになりにくいからだと考えています。事業性評価というのは、もう随分長いことそうあるべきだという議論がなされていましたが、現時点でそれほど浸透していないのは、恐らく金融機関にとってもうからないビジネスなんだろうと思います。といいますか、リスクが大きいビジネスなんだろうと思います。
先ほど御説明申し上げましたように、結局それだけ手を掛けても、その後、ほかの金融機関がほとんど手を掛けずに、あそこが貸し
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| 井上聡 |
役割 :参考人
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参議院 | 2024-05-30 | 財政金融委員会 |
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○参考人(井上聡君) 私よりも金融機関の人に聞かないと本当のところよく分かりませんが、本当の新興企業にこの担保を使って融資できるかというと、物すごくスタートアップしたばかりでは難しいんではないかと私は考えています。むしろ、一定程度の軌道に乗って、成長企業ではあるけれども、もうスタートアップは脱したか脱していないかというぐらいのレーターステージにまずは使われるのではないかと。
もちろん、この担保の使い方がよく分かってこなれてくればだんだんアーリーステージの方にも使える余地はあると思いますが、私自身は、ある程度トラックレコードができた成長企業というのが一つのポイントで、しかし、今無担保だとううんというふうに悩む、そういった借り手に金融機関が貸すと、貸せないところにこれがあれば貸せるというエリアが、最初はかなり狭いかもしれませんが、それを少しずつ広げていくということが期待されるということだろ
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| 井上聡 |
役割 :参考人
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参議院 | 2024-05-30 | 財政金融委員会 |
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○参考人(井上聡君) ありがとうございます。
なかなかその担保権の力によって人を縛るということは無理なんだろうと思います。ただ、様々なファイナンスで、担保契約に限らずですけれども、融資契約自体で、キーパーソンが辞めた場合には条件を見直す、あるいは返済を考えるというような条項になっていることはよくありますので、やっぱりそういう融資実務を高度化して、スタートアップとか成長企業に見合った様々な条件を融資の中でつくっていくということだろうと思います。担保自体で人を縛るというのは難しいと思います。
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| 井上聡 |
役割 :参考人
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参議院 | 2024-05-30 | 財政金融委員会 |
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○参考人(井上聡君) ありがとうございます。
通常の事業の範囲という言葉は、例えば集合動産譲渡担保において通常の営業の範囲というような表現が判例で確立しておりまして、普通に事業を回していく過程で、集合動産譲渡であれば在庫などを処分しても担保権者との関係で問題ないというふうに言われることが、今回は事業全体に広がっておりますので、その意味で、通常事業を回していく限りにおいては、担保に全資産が入っているにもかかわらず、普通、担保に財産を入れれば、それを勝手に担保権者に黙って処分することってできないはずなのに、それはもうどんどんやっていいよという、そういう線引きのルールですので、業態や企業規模、そういったものにかかわらず全て通用する、例えば数値基準のようなものというのはおよそ不可能。ですので、非常に抽象的な通常の事業の範囲という言葉になっているということがあろうかと思います。ですので、不明確で
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| 井上聡 |
役割 :参考人
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参議院 | 2024-05-30 | 財政金融委員会 |
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○参考人(井上聡君) 御質問ありがとうございます。
事業性融資というのは、先ほども申し上げたように、もう二十年も前からやろうやろう、やるべきだやるべきだと言われてきたのに、なかなかできなかった。それは、やはり先ほども申し上げたように、それをやろうとするに見合ったリターンを得られないという限界があって進んでこなかったという面があろうかと思います。
そこで、今回、こういった担保を導入することによって、事業価値を維持すること自体が担保権の価値を維持することになり、その実行過程で労働者も契約関係もちゃんと引き継いで事業譲渡されることによって関係者の利益も守られ、それによって事業が保たれるというウィン・ウィンの関係をつくるための道具としてこの担保が必要になるというふうに考えたんだろうと思います。
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| 井上聡 |
役割 :参考人
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参議院 | 2024-05-30 | 財政金融委員会 |
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○参考人(井上聡君) ありがとうございます。
この名前が変わったというのは、実はその金融審のワーキングの報告書が出た後、法案の作成段階で変わったということを私も聞いたということなので、その経緯については存じ上げないところではございますが、恐らく、何か事業の成長に資するような期待を込めて議論の段階では事業成長担保と呼んでいたものが、より客観的なといいますか、この担保自体の法的な性格を端的に示す名前に変わったのかなという印象を受けております。
繰り返しになりますが、企業価値を担保に取る、それを維持することが、担保権者の取り分が増えるだけではなく、労働者あるいは取引先をそのまま維持することにつながるという内容を持った担保という意味なので、そういう意味では、成長させるかどうかというよりやはり企業価値というものだという名前に、まあ比較的ストレートになったのかなという印象でございます。
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| 井上聡 |
役割 :参考人
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参議院 | 2024-05-30 | 財政金融委員会 |
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○参考人(井上聡君) 私も、そうですね、どういう部分を法制審で、どういう部分を金融審でということについて、それ自体に関与しておりませんので、どういう事情でどこで議論されるのかということについての経緯は分かりません。
ただ、今回のこの企業価値担保というのは、当然に信託の仕組みを必要とするという意味で信託業法的な部分を含み、かつ、その担い手となる受託者は金融庁の監督下に置かれるというところがあって、業法的な側面はあろうかと思います。借り入れる側も個人を含まない会社に限られるということなので、その点で、貸す側の金融機関との関係も比較的、何といいますか、金融規制の下に置かれる、まあ銀行では必ずしもなくても貸金業者にはなりますので、そういったことがあるのかなというふうに理解しております。
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| 井上聡 |
役割 :参考人
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参議院 | 2024-05-30 | 財政金融委員会 |
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○参考人(井上聡君) ありがとうございます。
それは本当によく分からないところでございます。そんなにすぐにどんな融資にもこれを使うとはちょっと考えにくいので、おっしゃいますように、金利を安く、場合によっては無担保で借り入れられるような企業は無担保で借りればいいわけですし、抵当権に入れられる不動産を持っていれば抵当権に入れてシンプルに借りる方がよっぽど楽だということはあろうかと思いますので、その意味ではかなり限定的な使われ方から始まるのかもしれません。それをむしろどうやって広げていって、お金が今借りられない人が借りられるような範囲を広げていくのか、これは金融機関側のスキルの向上と併せて利用を広げていければということだろうと思います。
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| 井上聡 |
役割 :参考人
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参議院 | 2024-05-30 | 財政金融委員会 |
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○参考人(井上聡君) ありがとうございます。
悪用という意味でいうと、これは企業を丸ごと取れるという側面があるので、当初から指摘されていたように、企業の乗っ取りなどに悪用されるのではないかという懸念はあったと思います。
ただ、結果的には信託の仕組みが導入されて、担保権者としてはレンダー、貸付人とは異なる人が関与して、その人が金融監督の下に置かれているということもあって、かつ、実行のときにはまた今度別の実行管財人という倒産実務をやっている恐らく弁護士が中心になって担っていくことになりますので、現在利用されているほかの担保と比べると、むしろ悪用がやりにくい仕組みが整えられているのではないかと思います。
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