東京大学先端科学技術研究センター准教授
東京大学先端科学技術研究センター准教授に関連する発言11件(2025-02-19〜2025-02-19)。登壇議員1人。関連する会議録を横断的に参照できます。
最近のトピック:
ロシア (113)
ウクライナ (67)
戦争 (48)
軍事 (34)
日本 (27)
発言一覧
| 発言者 | 肩書 | 院 | 日付 | 会議名 |
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| 小泉悠 |
役割 :参考人
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参議院 | 2025-02-19 | 外交・安全保障に関する調査会 |
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ありがとうございます。小泉でございます。よろしくお願いいたします。
私の資料は、このパワポの二枚ずつ印刷したやつです。
私は、多分今日はロシア側の視点からというところを期待されているのかなとも思ったんですが、スライドを作っているうちにだんだん軍事屋、安保屋としての側面の方が強く出てきてしまって、何かそういう観点からお話を申し上げたいなと思っています。
まず、軍事面から、この戦争、もう丸三年やっている戦争なわけですけれども、私から見たこの戦争は、やはりまず巨大戦争であるということです。
私、どちらかというと広瀬先生の学生ぐらいの世代に恐らく当たるんですけど、私が修士課程で安全保障論とか勉強したときというのは、こういう戦争というのは蓋然性は極めて低いんだと言われていたわけですね。それよりも、テロであり、気候変動であり、パンデミックであり、食料安全保障であり、又は不拡散でありと、
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| 小泉悠 |
役割 :参考人
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参議院 | 2025-02-19 | 外交・安全保障に関する調査会 |
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どうもありがとうございます。
まず、そもそも北が今ロシアに対して一番大きな貢献ができている分野は何かというと、人間と弾だと思うんですよね。さっきロシア軍が年間一千万発撃つというお話を申し上げましたけど、北朝鮮、去年一年間で六百万発ぐらいの弾をロシア軍に供与したと言われています。二〇二三年には五百万発弱だったと言われています。それから、ロシア軍の火力の実は半分から六割ぐらいって北朝鮮由来なんですよね、今や。だから、北朝鮮がこの巨大な軍事工業力を持っていて、それでロシアを支えているというところにこの取引が生まれちゃっている余地があるわけです。
やっぱりいろんな穴が空いていて、北朝鮮に本来渡るべきじゃないものが渡ってしまっていたということを反省しなければいけないと思いますし、他方で、完全に日本だけで封じ込め切ることも絶対できないわけですよね。ですから、さっき広瀬先生がおっしゃった韓国との
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| 小泉悠 |
役割 :参考人
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参議院 | 2025-02-19 | 外交・安全保障に関する調査会 |
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ロシア側を見ている人間からすると、今トランプが言っていることってほぼロシアの主張を丸のみしているんですよね。
まず、ロシアの交渉開始条件というのが、占領、併合を宣言した四州の行政境界線からのウクライナ軍撤退とNATO不加盟、これで交渉のテーブルには着くという言い方なんですよ。トランプ政権はその二つの点について、現実的ではない、あるいは困難であるという言葉でロシア側の言い分を認めているように見えますし、さらに、その先の和平交渉そのものの条件である中の非ナチス化、政権交代については、ウクライナは戦時下であっても大統領選すべきじゃないか、民主主義国なんだからということで認めているように見える。だから、米ロ間は交渉ができるというか、トランプがもうロシアの言い分をどんどんのんでいっているように見えるんですよね。だから、米ロ交渉はできるんでしょうと。というか、ロシアに丸め込まれちゃうんでしょうと私
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| 小泉悠 |
役割 :参考人
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参議院 | 2025-02-19 | 外交・安全保障に関する調査会 |
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ヤルタ二・〇という言葉は多分にはやり言葉ではありますけれども、要するに、冷戦後にロシアが言ってきた多極世界という話がいよいよ実現しつつあるという手応えは持っていると思うんですね。ただ、多極世界というのは、要するに、アメリカ中心世界を解体して何か別の世界をつくるということなんですよ。それ自体はとてもいい話だと思うんですけど、その多極世界というのは、無極世界とはロシアは言わないんですよね。幾つかの極、グレートパワー、ロシア語で言えばデルジャーヴァがいて、それがそれぞれの地域を取り仕切る、その地域を取り仕切っている極同士はけんかしないという世界なので、どちらかというとこれは勢力圏分割構想みたいなものに近かったわけです。少なくともプーチン政権下ではそういう話にどんどん変わっていってしまったと。
今、そのヤルタ二・〇というのは、だから、結局、その勢力圏分割をするメンバーを変えて同じようなことをし
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| 小泉悠 |
役割 :参考人
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参議院 | 2025-02-19 | 外交・安全保障に関する調査会 |
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ありがとうございます。
まず、停戦が成立しない可能性を考えてみたいんですよね。米ロがもうそういうことで決めてしまって、トランプがウクライナに対してもう諦めよと引導を渡すというときに、もうやむを得ないなとなる可能性が半分ぐらいあるとして、もう半分ぐらいそれでも抵抗を続けるという可能性は私はあると思っています。
EUその他の国々の援助でやれる形で抵抗を継続するというふうに政治指導部が決定した場合、もしも私がウクライナ軍の参謀総長だったら、それなりの方法は考えると思うんですよ。例えば、これから先一年掛けてドネツク州の残りは明け渡しながら後退していくつもりだったけれども、じゃ、これをドニプロまで防衛線を後退させて抵抗を継続すると。あと二年ぐらいやればロシアもさすがに継戦能力が限界になるというふうに見られているので、そこまで粘るんだとかという可能性はあると思うんですね。
そのときに、やっ
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| 小泉悠 |
役割 :参考人
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参議院 | 2025-02-19 | 外交・安全保障に関する調査会 |
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ありがとうございます。
まず、ヨーロッパが前に出てこられなかった大きな理由は、やはり汚職というよりは核だと思うんですね。ウクライナに深刻な汚職であったりとか二重経済があったりとかということはみんな知っているわけですよ、旧ソ連の国々にみんな共通する宿痾で、その中でウクライナはまだましな方というか、EUに入らなきゃいけないので改善しようとしている方なわけですよね。
あとは、もう一個言うと、汚職である腐敗であるといっても、じゃ、ジャベリンを渡したらそれがどこかの国に横流しされちゃうとか、そういうレベルの腐敗ではないので、NATOが出ていけなかった理由は、やはり出ていった場合、ロシアと核エスカレーションが発生するかもしれないという、ほぼこの点に尽きるというのが私の考えです。これはちょっと後々歴史的に実証されるとまた別の見方が出てくるかもしれませんけど、恐らく現状そうだろうと。
ただ、他
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| 小泉悠 |
役割 :参考人
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参議院 | 2025-02-19 | 外交・安全保障に関する調査会 |
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承知しました。
ロシアの軍事費、やはり戦時下なので毎年どんどん増えていまして、今年一月一日から始まった二〇二五年度予算に関しましては、国防費が補正前で十三兆五千億ルーブルになっています。大体ロシアの平時の国防費って年間三兆五千億ルーブルから三兆八千億ルーブルぐらいなので、平時の四倍ですね。GDPの六・三%というふうに予算計画ではなっています。対連邦予算比で三二・五%です。
だから、かなり軍事負担が重くなっていることは間違いなくて、財政赤字も出ているのは出ているんですけど、やっぱりそのお尋ねの財源ですよね、オイルが売れてしまっていると。西側も完全にロシアのガスやオイルを遮断することはできてないので、現状はそのバレル六十ドル以上で売ろうとしたら、そのタンカーにロイズが保険を付与しないので、そういう形の制裁なんですよね。でも、結局ロシアはそうすると、いわゆる影の船団という、この無保険船団
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| 小泉悠 |
役割 :参考人
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参議院 | 2025-02-19 | 外交・安全保障に関する調査会 |
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確かに、一つの冷徹なリアリズムとしてそういうことになってしまうというところもあると思いますが、さっき申し上げたように、ウクライナには受け入れないという選択肢もあるんですよね。アメリカから支援が来ない状態で抵抗を継続するということは、言われたらそういう戦略を作ると思います、ウクライナ軍は。
なので、仮にウクライナが、そのトランプのつくろうとしている平和、これは私は平和というよりウクライナへの降伏の強制だと思いますけど、ウクライナに対する降伏の強制にウクライナ自身が同意したんだったらしようがないと思いますけれども、そうでない場合というのは、やはり依然として戦場の中の現実がテーブルの上の議論に影響するというこれまで続いてきた光景がまた続くんだろうなと、それがウクライナ軍が著しく不利な形で継続していくんだろうなというふうに思っています。
今起きているのは、これまでは戦場の中の現実がテーブル
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| 小泉悠 |
役割 :参考人
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参議院 | 2025-02-19 | 外交・安全保障に関する調査会 |
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ありがとうございます。
まず、先ほどの広瀬先生への御質問からつながってくる答え方になるかなというふうに思うんですけど、戦争があってはならないって本当にそのとおりですし、今ウクライナでも本当に一家全滅するところとか出始めているわけですよね。だから、こんなことは起こしてはいけないし、なるべく早く終わらせなければいけないというのは本当にそのとおりだと思っているんですよ。
うちの奥さんのところの親戚もウクライナ人いっぱいいて、二年前のバフムト攻防戦のときに、あのままロシア軍の攻勢が止まらなかった場合というのは、恐らく次にその町が戦場になったはずなんですよね。だから、本当に私自身もそのことは強く思ってはいます。思ってはいて、じゃ、そこで命を守るために今すぐ抵抗をやめればそれで平和になるではないかというのは一種のリアリズムでもあるのかもしれないんだけれども、じゃ、そこでその抵抗をやめて、例えば
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| 小泉悠 |
役割 :参考人
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参議院 | 2025-02-19 | 外交・安全保障に関する調査会 |
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残念ながら、ないと思います。
北方領土、僕は二回行っているんですよね。二〇一三年に国後、択捉行ったときには、ここは本当に二十一世紀の地球なのかと思うぐらいひどい環境で暮らしているわけですよ。二〇一八年に同じ国後、択捉行ったら、見違えるようにきれいになっている。少なくとも、我々が見えるところはとてつもなくきれいになっているし、観光産業らしきものもできているし、とてもじゃないですけど、ロシア化なんて言えないです、もうロシアになっちゃっているということなんですよね。更に言うと、私が二〇一三年に見た、これが本当に二十一世紀の地球なのかと思うのでさえ多少良くなったわけなんです。九〇年代の国後、択捉、色丹というのは本当にひどかったわけですよね。でも、それでもロシアは手放さなかった。
それから、結局、あそこをロシアが軍事占領し続けている軍事的理由というのは、その内側のオホーツク海に原子力潜水艦が
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