小林桜児
小林桜児の発言11件(2023-11-10〜2023-11-10)を収録。主な登壇先は厚生労働委員会。キーワードで検索・期間指定で絞り込めます。
最近のトピック:
大麻 (44)
依存 (37)
さん (29)
患者 (27)
使用 (23)
役職: 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立精神医療センター副院長
役割: 参考人
会議別 出席回数/発言回数
| 会議名 | 出席回数 | 発言回数 |
|---|---|---|
| 厚生労働委員会 | 1 | 11 |
発言一覧
| 発言者 | 肩書 | 院 | 日付 | 会議名 |
|---|---|---|---|---|
| 小林桜児 |
役割 :参考人
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衆議院 | 2023-11-10 | 厚生労働委員会 |
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○小林参考人 本日は、貴重な機会を与えていただいて、ありがとうございます。私は、神奈川県立精神医療センターから来ました、精神科医の小林と申します。
私は、精神科医になって二十三年になるんですが、そのうち四年間を除いて十九年間ずっと依存症の臨床に従事してきた、精神科医の中では比較的変わり種と言われております。そういった意味では、本当に依存症の臨床現場で今どういった状況なのかということを医師の立場から皆様にお話しさせていただければと思います。
先ほどの太田参考人からももちろんお話がありましたけれども、大麻の検挙者数は本当に年々増えておりまして、私が精神科医になったばかりの頃で依存症の専門病院に赴任した際には、大麻だけの依存症の患者さんというのはほとんどいなかった。それが、ここ五年ぐらい、本当に大麻だけの依存症の患者さんで受診する方が非常に増えてきているんですね。
皆さん御存じのよう
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| 小林桜児 |
役割 :参考人
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衆議院 | 2023-11-10 | 厚生労働委員会 |
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○小林参考人 現時点で、薬物依存症に関して適応のある、いわゆる治療薬というのはございません。
全てやはり対症療法ですね。薬物によって二次的に引き起こされたうつ状態や不眠に対して対症療法的に治療を行っているのみで、いわゆる依存症の主たる症状である、コントロールができない、節度ある使用ができない、あるいはそもそも使用の欲求を抑えることができないということに対して特効性のある薬物はございませんので、恐らく大麻に関しても、今後も、すぐに、短い期間でそういった特効薬が生まれる可能性は皆無に近いと思います。
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| 小林桜児 |
役割 :参考人
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衆議院 | 2023-11-10 | 厚生労働委員会 |
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○小林参考人 昨今、本当にマスコミの報道を通して、依存症に関する意識は随分高まっていると思います。
それは、通常のアルコール、薬物のみならず、ネットゲームとか、様々な問題で依存症の問題があるんじゃないかということが随分と意識されるようになっておりますので、そういった意味では、我々医療現場にとってうれしい反面、御家族も本人も、自分が依存症なんじゃないか、家族が依存症なんじゃないかと早めに気づいて医療につなげていただく分、余り困っていない、つまり、むしろ、依存症によってメリットがあって生活がうまく回っている初期段階で医療機関につながる患者さんが増えておりまして、そういった患者さんをどのような形で、断酒、断薬、断ギャンブル等、依存症的な行動をやめる方向に動機づけるかということに関しては、むしろ新しい問題に直面しております。困っていない人の行動を変えることというのは非常に難しいんですね。
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| 小林桜児 |
役割 :参考人
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衆議院 | 2023-11-10 | 厚生労働委員会 |
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○小林参考人 元々、こういった法で規制されていないものを求めて、依存症の患者さんは様々な、自分の不眠とか苦痛を和らげるために過量服薬に及びます。大麻が使用罪ができたからといって、元々処方薬、市販薬を乱用していた方が急増するかといいますと、どちらかというと大麻の使用者で多いのは男性です。一方で、処方薬、市販薬で多いのは女性です。ですから、患者さんのポピュレーションがちょっとずれます。ですので、それが著しく急激に市販薬、処方薬の乱用者を増やすということはないと思いますし、処方薬、市販薬の乱用者が増えている現実は、大麻の問題よりも、むしろやはり若年女性が置かれている今の現代日本社会の様々な多様な問題を反映しているというふうに考えた方が私は正確だと考えます。
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| 小林桜児 |
役割 :参考人
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衆議院 | 2023-11-10 | 厚生労働委員会 |
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○小林参考人 実際、私の患者さんでも、CBDだったら捕まらないんですよねとか、CBDは効果ありますよねということを言い出している患者さんはもう既におります。
CBDを使っているうちに、より効果の強いものを期待する可能性もあります。そういった意味では、やはりTHCを含有している通常の大麻の方がより社会的な、法的なハードルが高いというふうにした方がぎりぎりCBDのレベルでとどまる可能性がありますし、同じ過量服薬、乱用のリスクがあるにしても、やはりエビデンスの面で、長期的、大量に使用したときの害が大きいものに対するハードルを高くする。低めの方にまだ誘導する方が、実際、中長期的な、社会的な影響も少なくて済むのではないかなと。
ただ、今後CBDが普及してくると、今後CBDの乱用者というのが医療現場で増えてくる可能性は私も現時点で危惧しておりますが、こればかりは、市販薬や処方薬と基本的には同じ
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| 小林桜児 |
役割 :参考人
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衆議院 | 2023-11-10 | 厚生労働委員会 |
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○小林参考人 貴重な御指摘ありがとうございます。
これまでどうしても依存症の業界においてなかなか注目されてこなかった点が、まさにこの小児期逆境体験であると思います。当院では、もう十年前から、初診の患者さんに対して、十五歳まで、中学三年までにどのような逆境体験を経てきたかということを全ての患者さんにアンケートを取って、もう十年分のデータがあります。そのデータとして、先ほどお話ししましたように、覚醒剤や大麻、処方薬等の薬物依存の患者さんは、特に、アルコール、ギャンブルと比べても非常に逆境体験に該当する方が多い。もう九割を超えていて、しかもそれがもう三個から四個ぐらい。一つだけじゃないんですね。一つの例を挙げますと、十五歳までに片方又は両方の親と離別体験があると答えた人は、ほぼ三人に一人の割合でいるんですね。
いろいろな意味で分かりやすいいわゆる虐待とかネグレクトだけではなくて、様々な、
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| 小林桜児 |
役割 :参考人
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衆議院 | 2023-11-10 | 厚生労働委員会 |
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○小林参考人 御質問ありがとうございます。
大麻が増えているということの一つの理由としては、薬物乱用の中にも、やはり流行とかファッションがございます。昔はシンナーが若者の一番、大流行だったわけですけれども、もはや今はもうシンナーは見られなくなっていまして、一つのトレンドとして、今実際、大麻や市販薬や処方薬に移行しつつある。
だからといって、じゃ、かつての子供たちが生きづらくなかったのかといったら、そういうことはないと思います。ただ、一つ言えることは、より、ここ数十年の社会構造の変化の中で子供たちが心理的に孤立しやすい環境は実際にあるだろうと思います。
それは、皆さん御存じのように、少子高齢化で、そもそも同胞の数が減っておりますし、ネット社会は非常に広まって、子供たち自身のリアルなつながりや、子供たちが地域の中で様々な自分の感情を受け止めてもらえる大人が減りつつある。そういった子
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| 小林桜児 |
役割 :参考人
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衆議院 | 2023-11-10 | 厚生労働委員会 |
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○小林参考人 依存症医療に従事している者から見ると、やはり、駄目、絶対の言葉の背景にある、意思を強く持てばやめられる、そういったフィロソフィーをどうしても強調されてしまうことは非常に懸念しております。
意思の問題ではないです。やはり、彼らは生きづらいから、辛うじてそれだけしか助けを求められないから使っているわけなので、むしろ、しんどいときには、助けてもらいたいときには必ず助けてくれる人がいるんだということをメッセージとして私は発していくべきだというふうに思います。
衝撃的だったのは、とある学校で、依存症は治療できるんだということを言わないでくださいと言われたことがあるんです。治療できるということは使ってもいいというふうに誤解されかねないからみたいな、余りに、ちょっと私は驚いてしまったんですけれども、それぐらい、やはりまだまだ医療も司法も、そして、医療も、医学部においても、依然として
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| 小林桜児 |
役割 :参考人
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衆議院 | 2023-11-10 | 厚生労働委員会 |
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○小林参考人 古くは禁酒法がアメリカで失敗したのと同じように、使用者が圧倒的に多い状況ではそういった犯罪化というのはもう無効だということは、まさにバイデン政権が認めているとおりだと思うんですね。もし日本も大麻の生涯経験率が四〇%を超えるような社会になってしまっていたら、私もここで、使用罪については反対したと思います。ただ、日本は一%台です。この状況において、今まだ司法がおせっかいの力を、一%台だったら発揮し得る。これが四〇%台になったらもうおせっかいも意味がなくなってしまう。
そういった理由での、私は、アルコールやあるいはニコチンとかいろいろなほかにも害があるものは幾らでもありますけれども、それと大麻はどうなんだというところの唯一の論点は、ここの、どれだけの生涯使用率なのか、それを司法で対応することの有効性がどれぐらいあるのか、そういったプラグマティックな観点がやはり必要だというふうに
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| 小林桜児 |
役割 :参考人
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衆議院 | 2023-11-10 | 厚生労働委員会 |
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○小林参考人 既にお話ししているように、大麻は短期的には大きな影響が出ないんですね。使い続けて習慣化していく中で影響が出てきます。そういった意味では、特に若年で、保護者が気づく、学校が気づく、そういって医療につながった段階では、確かに、御本人には何の困り感もありません。それが、逆に言うと、医療機関で困っているポイントです。
先ほどの法の運用に関しましては、実際にすぐに厳罰化するということに関しても、私は全く、それを別に要求しているわけではございません。あくまで、今回の司法対応をきっかけに、普通に刑務所に行かないために適切な医療や福祉の支援を受けるというダイバージョンがここで実現されることを、それで、願わくば、これが大麻にとどまらず、実は、覚醒剤等ほかの違法薬物に関しましても、より、刑務所や刑罰に行くのではなくて、きちんと医療や福祉に行けるような呼び水となることを私は期待したいと思います
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