東京大学大学院農学生命科学研究科教授
東京大学大学院農学生命科学研究科教授に関連する発言16件(2024-04-04〜2024-05-14)。登壇議員2人。関連する会議録を横断的に参照できます。
最近のトピック:
食料 (91)
農業 (59)
生産 (50)
基本 (41)
自給 (37)
発言一覧
| 発言者 | 肩書 | 院 | 日付 | 会議名 |
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| 中嶋康博 |
役割 :参考人
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参議院 | 2024-05-14 | 農林水産委員会 |
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○参考人(中嶋康博君) ありがとうございます。東京大学の中嶋でございます。
本日は、このような発言をさせていただく機会をいただきまして、ありがとうございます。
私は、食料・農業・農村政策審議会の基本法検証部会の部会長を務めてまいりました。同部会では、委員の皆様から非常に多様な御意見をいただき、我が国の食料、農業、農村において直面する課題を多角的に検討する機会を得ることができました。
そこでの議論は審議会の答申としてまとめることとなりましたが、今回の改正案を拝見して、部会で議論したこと、答申で提案した内容は漏れなく盛り込まれているように感じたことを初めに申し上げたいと存じます。
この後のお話のアウトラインと、関連する図表を資料として用意いたしましたので、そちらも適宜御覧いただければ幸いに存じます。
まず、お話の一番目のポイントは、基本法検証を行う上での前提でございます。
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| 中嶋康博 |
役割 :参考人
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参議院 | 2024-05-14 | 農林水産委員会 |
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○参考人(中嶋康博君) 御質問ありがとうございます。
検証部会の中でもかなり様々な議論がございました。
まず出発点は、食料の安定供給、これをまず現行基本法の中できっちり維持していかなければいけないと。その延長線上に食料安全保障という概念がオーバーラップしたと認識しております。
先ほどの私の説明にもありましたですけれども、供給をしただけでは人々の手元に食料がきちんと届かない場合がある、それは所得的な要因の場合もありますし、それから地理的な要因もございます。いわゆる食料アクセスが不全を来しているような事例がかなり出てきてまいりました。
そういったことを鑑みますと、安定供給だけでは駄目なんではないかという懸念がかなり共通で部会の委員の中で認識されたというふうに考えております。一人一人の食料安全保障というのにはそういった思いが込められていると思っています。
確かに危機的な状況に
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| 中嶋康博 |
役割 :参考人
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参議院 | 2024-05-14 | 農林水産委員会 |
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○参考人(中嶋康博君) 御質問ありがとうございます。
流通ということも含めて、今回の基本法の中で食料システムという言葉が定義されて、それを使ってかなり施策の整理がされたというふうに私は理解しております。食料システム、生産から消費の間に関わる様々な取組、事業者がここに関わっていて、その中に、流通というのは非常に大きな問題だと思っております。
現在、政府では、二〇二四年問題も含めてその物流危機に対応していらっしゃると思うんですけれども、これは食料生産、そして供給においてやはり大きな問題だというふうに認識しております。ここの部分に関しては、今回の改正の内容ではかなり私は踏み込んで目配りしているんではないかなというふうに考えております。流通は非常に大きな問題だと私も認識しております。
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| 中嶋康博 |
役割 :参考人
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参議院 | 2024-05-14 | 農林水産委員会 |
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○参考人(中嶋康博君) 御質問ありがとうございました。
私も、多様な生産者が存在しているということは、日本の農業、そして食料供給にとって非常に重要な要素になるんではないかなと思っております。それはレジリエンスの観点からも重要でもございますし、例えば、日本の食の魅力を考える上でも多様であるということが非常に重要だと思っております。
もちろん私たちの命を支えるために穀物生産は非常に中心になってくるんだと思っておりますけれども、もちろん野菜とか果物とか様々な作物、これは栄養素の面からしても、それから嗜好の面からしても必須でございます。そういったものを支えていく生産者というのはやはり多様であるべきだと思いますし、日本は非常に南北に長い、地域的にも様々な性格を持っております。それに基づいた農産物、そして畜産物を作っているということは、これは今後も誇りを持って継続すべきだと思います。
それ
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| 中嶋康博 |
役割 :参考人
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参議院 | 2024-05-14 | 農林水産委員会 |
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○参考人(中嶋康博君) 御質問ありがとうございました。
今御指摘ありましたマクロ経済環境がある意味日本農業にとって逆風になっていたというのが、まさにこの検証したこの基本法の時期であったというふうに思っております。
で、価格がやはり上がらなかった、食料価格、農産物価格が上がらなかったというところが、例えば先ほど、担い手が減っていくとか農地の利用が下がっていく、投資が行われないということの原因ではないかなと思っています。そういう意味では、合理的な価格が形成されて、しかるべきその見通しを持って、未来に向かって農家、農業経営体の方々がその生産を遂行、振興、拡大していくということがやはり全てではないかなというふうに思います。
ただ、実際のところ、その検証をした時期というのは、賃金も上がらず、非常にデフレで、いろいろ国民経済も苦難を強いられていたところにあったということを考えますと、実は、
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| 中嶋康博 |
役割 :参考人
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参議院 | 2024-05-14 | 農林水産委員会 |
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○参考人(中嶋康博君) 御質問ありがとうございました。
消費者とどのように向き合うのかという議論は、検証部会の中でかなり私どもはしたんじゃないかなというふうに思っております。例えば、持続可能なその生産、環境保全型の農業を進展するということは、大変その生産者の方に負担を掛けるわけでございます。コストも掛かり増し経費も掛かるというふうに理解しております。それについて消費者の方に理解していただけなければ、これは続かないと。
ただ、いわゆるその農と食の距離が広がってしまっている状況の下で、なかなかこのことに気付いていただけないんではないか、一部の方はよく御存じなんですけれども、一般的なこの消費行動の中にそこが組み込まれていないというのがやっぱり大きな課題であろうということで、そのためのその仕組みみたいなものを考えていく、こういうことも結構議論したように私は記憶しております。今回、この消費者
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| 中嶋康博 |
役割 :参考人
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参議院 | 2024-05-14 | 農林水産委員会 |
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○参考人(中嶋康博君) 御質問ありがとうございます。
環境保全型農業を推進する上で、日本は非常に苦しい立場にあると思っております。
うまく説明できるかちょっと心配なんですが、例えば、ヨーロッパのかつて、九〇年代の農政改革も含めて、環境保全型農業を進めるための施策を入れましたが、その当時に過剰生産という問題を抱えていたと思います。で、過剰生産を解決するためにその生産レベルを落とす、その手段として環境の保全型農業というものを展開することができたと思います。ところが、日本は自給率が低くて、できれば増産をしたいと。増産をすることをまず、さきの食料安全保障の問題を考えたときには是とするときに、その環境に対して負荷を与えるような農業を推進しなければいけないという、そういう矛盾を抱えてしまうわけですね。
ただ、国際的に見れば、やっぱり農業はいろんな意味で環境負荷を与えている、地球温暖化の問題
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| 中嶋康博 |
役割 :参考人
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参議院 | 2024-05-14 | 農林水産委員会 |
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○参考人(中嶋康博君) 御質問ありがとうございます。
農地集積の問題は非常に難しい問題だと私も承知しております。これを進める上で、今取り組まれている地域計画をどう立てるかということが重要だと思っております。人・農地プランがベースになると思いますけれども、やはり農地と人、担い手のマッチングをどうするかというのはやはり地域でなければ決められないんではないかと思っております。水田の場合には、それは水をどういうふうに利用するかということも関わってまいります。集積するためには基盤整備も必要でありますけれども、そのための計画も地域で作らなければいけないと思っております。具体的に何割というのはちょっと今の時点で私何とも申し上げられませんけれども、やっぱり地域ごとのきめの細かい観察とそれによるその計画の設定というのが求められると思います。
それから、食料安全保障の指標でございますけれども、これ様々
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| 中嶋康博 |
役割 :参考人
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参議院 | 2024-05-14 | 農林水産委員会 |
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○参考人(中嶋康博君) 御質問ありがとうございます。
ただ、非常に難しい御質問をいただいたというふうに思っておりまして、その価格に特化したということでございますけれども、合理的な価格を形成することは目指すけれどもそれをどのぐらいやり切れるかということに関しては、私個人的にはまだ余り見通しが立っておりません。それを検証をする会議もやっていることは承知しておりますけれども、例えばフランスの事例なども参照しながら、ただ、実際にはそのフランスでも十分には転嫁できていないような実態も伺っているところでございます。
繰り返しになりますけれども、現在の賃金がまだ十分に上がっていないような状況の下で価格転嫁というのは非常に難しいので、価格形成の面でまだ一定程度の配慮はしていかなければいけないというふうに思っております。
ただ、いずれにしても、需要に応じた生産をしていく過程で食料安全保障を確保す
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| 安藤光義 |
役割 :参考人
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衆議院 | 2024-04-04 | 農林水産委員会 |
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○安藤参考人 おはようございます。東京大学の安藤と申します。
初めに、このような意見陳述の機会を与えてくださいましたことに対して、心より感謝を申し上げます。
大変恐縮ですが、十五分以内に報告を収めるために、配付していただいた参考資料とは異なる原稿を用意してまいりました。申し訳ございません。
私の報告は、大きく二つに分かれます。最初に、食料自給率をめぐる問題についての歴史を振り返り、整理を行います。危機のときこそ歴史に学ぶ必要があるということです。その上で、基本法検証部会の議論を踏まえながら、今回の基本法改正について、やや批判的に論評させていただきます。私の誤解や誤りがある場合は、どうか御容赦願う次第です。
それでは、最初に、食料自給率の低下について、その歴史を振り返ることから始めたいと思います。
現在問題となっている食料自給率が大きく低下したのは、一九六一年に制定された
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