成瀬剛
成瀬剛の発言24件(2025-05-08〜2025-05-08)を収録。主な登壇先は法務委員会。キーワードで検索・期間指定で絞り込めます。
最近のトピック:
記録 (124)
命令 (93)
電磁 (88)
提供 (72)
捜査 (64)
役職: 東京大学大学院法学政治学研究科教授
役割: 参考人
会議別 出席回数/発言回数
| 会議名 | 出席回数 | 発言回数 |
|---|---|---|
| 法務委員会 | 1 | 24 |
発言一覧
| 発言者 | 肩書 | 院 | 日付 | 会議名 |
|---|---|---|---|---|
| 成瀬剛 |
役割 :参考人
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参議院 | 2025-05-08 | 法務委員会 |
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東京大学の成瀬剛と申します。
本日は、参考人として意見を述べる機会を与えていただき、ありがとうございます。
私は、刑事訴訟法の研究、教育に従事しており、今回の法律案に関しては、法制審議会刑事法部会において幹事として審議に加わりました。本日は、同部会における議論を踏まえ、本法案に賛成の立場から意見を述べさせていただきます。
以下では、お配りした資料に沿ってお話をさせていただきます。
初めに、本法案に対する総論的意見を申し上げます。
一般に、刑事手続において情報通信技術を活用することは、刑事手続の円滑化、迅速化に資するとともに、刑事手続に関する国民の負担の軽減をもたらし得ると考えられます。もっとも、その活用方法によっては、刑事訴訟法に定められた各制度の趣旨や目的の実現が損なわれるおそれもあります。
そのため、法制審議会刑事法部会においては、刑事訴訟法で定められた各制度の
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| 成瀬剛 |
役割 :参考人
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参議院 | 2025-05-08 | 法務委員会 |
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お答えいたします。
刑法の百三十四条の秘密漏示罪は、医師や弁護士等に対して、私人がプライバシーに関わる情報を提供せざるを得ないような関係にあることを前提に、そのような職務にある者がクライアントから得た秘密を漏示してはならないという趣旨で定められているものです。
これに対しまして、本法案に含まれている秘密保持命令というのは、当該電磁的記録提供命令に応じてデータを提供したという事実を情報主体に伝えることがその後の罪証隠滅等に及ばれるリスクがあると。すなわち、その命令を守らなかった場合に捜査妨害とかが発生するということを想定したものでありまして、そもそも守ろうとしている法益が異なるものだと理解しております。
ですので、どちらが重くあるべきかというのは一概にはお答えできないというのが回答になります。
以上です。
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| 成瀬剛 |
役割 :参考人
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参議院 | 2025-05-08 | 法務委員会 |
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お答え申し上げます。
私は刑事訴訟法を専攻しておりまして、刑法の分野については専門家ではないんですけれども、まず、法制審議会の刑事法部会におきましては、刑法を専攻する研究者の委員、幹事の方もいらっしゃって、この秘密保持命令に違反した場合の法定刑がどうあるべきかということについて慎重に議論が行われたということをまず報告させていただきます。
その上で、この秘密保持命令に違反した場合がなぜ刑法の百三十四条の秘密漏示罪よりも法定刑が重くなっているのかという点について、私の考えを申し上げたいと思います。
先ほどの意見表明の中でも申し上げたとおり、秘密保持命令というのは、情報主体に電磁的記録提供命令が発令されたことが伝わると、逃亡、罪証隠滅が生じるおそれが高いというふうにうかがわれる場合に、そのことを裁判官の事前の許可を得た上で発令するものでございます。
そのような状況、かなり限られた
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| 成瀬剛 |
役割 :参考人
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参議院 | 2025-05-08 | 法務委員会 |
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先生が御指摘のとおり、現在の刑事訴訟法におきましては、捜索差押えを行った場合に、その被処分者が当該差押えがあったという事実を第三者に告げるということを止めるような規定というものはございません。ですので、現行法においては、捜査機関が捜索差押えを実施する場合には、そのような事態が発生し得るということも念頭に置いた上で、いつのタイミングでその強制捜査に着手するかということを考えているものというふうに理解しております。
それに対しまして、今回の電磁的記録提供命令というのは、むしろその現場に対する捜索差押えを行うよりも更に前の段階で事前にある程度情報を把握しておきたいという場面でも用いられ得るものですから、そのような段階で情報主体に提供命令が発令されたことが伝わるという事態を避ける必要性がより高いというふうに考えられて、今回の電磁的記録提供命令に関しては秘密保持命令が設けられたというふうに私自身
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| 成瀬剛 |
役割 :参考人
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参議院 | 2025-05-08 | 法務委員会 |
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お答え申し上げます。
先ほど河津参考人の方から令状発付の件数あるいは令状却下件数について御紹介がありました。
ただ、私の認識するところでは、そもそも捜査機関側が裁判所に令状を請求するかという時点で、相当内部的なチェックが行われた上で初めて裁判所に請求が行くというふうに理解をしております。さらに、裁判官が令状を発付するとしても、捜査機関が請求してきた内容どおりに発付しているというふうには必ずしも言えませんで、請求してきた内容の中でも、被疑事実との関連性が薄いと思われる場合には差し押さえるべきものから排除するなどの判断をした上で、厳格な審査をした上で令状を発付しているというのが実情であるというふうに私自身は認識しております。
その上で、今回設けられる電磁的記録提供命令に関して、多様なデータが対象になり得るという御指摘がございました。その点はおっしゃるとおりなんですけれども、今回の電
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| 成瀬剛 |
役割 :参考人
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参議院 | 2025-05-08 | 法務委員会 |
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先生がさきの質疑においてそのような事例を出されて議論をされたというのは、議事録を事前に読んでまいりましたので、拝見しております。
ただ、私自身も、今先生が出していただいた事例につきまして、具体的にどうなりますかというふうに聞かれましても、当該事件の事案とかあるいは証拠関係によってどのような電磁的記録が必要となるかは変わってまいりますので、一概に申し上げることは困難であるというふうに考えております。その点は御容赦いただければと思います。
その上で、繰り返しになりますけれども、今回の電磁的記録提供命令というのは、裁判官が被疑事実に関連するものだけを提供させるべき電磁的記録として令状に書くものですから、様々なそのICカードの履歴だとかクレジットカードの履歴だとかが同時に被疑事実と関連するということが判断されるという事態は容易には想定しにくいのではないかなと。
やはり、当該被疑事実との
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| 成瀬剛 |
役割 :参考人
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参議院 | 2025-05-08 | 法務委員会 |
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通信の秘密というのは憲法上の規定でございますので、一番の専門家は恐らく憲法研究者なんだろうと思います。
ただ、捜査機関が通信の秘密を制約して捜査を行うという自体は、今回の電磁的記録提供命令で初めて行われるものではありませんで、今日の議論でも出てまいりました通信傍受ですとか、あるいは記録命令付差押えでも通信の秘密を侵害することはあり得たわけです。ですので、刑事訴訟法、私を含めた刑事訴訟法の研究者というのは、この刑事捜査の場面でどのような要件の下に通信の秘密が制約され得るのかということについては日頃から研究を続けておりまして、その観点で申しますと、法制審に出ていた刑訴法の研究者は皆、この分野、刑事分野に限って言えば、通信の秘密についても十分な知見を持っており、かつ法制審でもその点を十分に意識した上で慎重に審議がされたというふうに認識しております。
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| 成瀬剛 |
役割 :参考人
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参議院 | 2025-05-08 | 法務委員会 |
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現在の刑事訴訟法の基本的な考え方をお伝えしたいと思います。
現在の刑事訴訟法においては、その物ないしはデータを取得する段階で、強制的に取得するのであれば、事前に令状を得た上で行うというのが原則的な仕組みでございます。当該データはもちろん被疑事実に関連するものとして取得されるわけですけれども、同じデータが別の被疑事実に関わりを持つということも当然ございます。その場合に、他事件に利用するということを禁止する規定は刑事訴訟法にはございません。
一例を挙げますと、例えば業務上横領罪の被疑事実で商業帳簿を差し押さえたといたします。その商業帳簿について、当然、業務上横領罪の捜査のために使うわけですけれども、その過程で、そのお金が例えば贈賄に使われただとか、あるいはそのお金の帳簿を隠すことによって脱税になっているんではないかというような形で別の被疑事実との関連性を有するという事態は当然発生するわ
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| 成瀬剛 |
役割 :参考人
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参議院 | 2025-05-08 | 法務委員会 |
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お答え申し上げます。
まず、電磁的記録提供命令において取得するデータが関連するものに限られるようにどう制度上担保されているかという点でございますが、今回、まず裁判官の事前の令状審査をかませるという仕組みになってございますし、その際の要件というのは、これまで差押えや記録命令付差押えで要求されていた要件と全く同じものが要求されているわけです。
更に申し上げますと、今回の電磁的記録提供命令というのは、被処分者にデータを選別していただいて出していただくという形になりますので、捜査機関が捜索差押えの現場で選び出すという作用とは異なってまいります。すなわち、事件の概要を御存じない被処分者の方にデータを出していただかないといけませんので、通常の捜索差押えと比べても、更に特定性を高めた形で提供させるべき電磁的記録というものが限定されて令状が発付されるものと考えております。
さらに、事後審査とし
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| 成瀬剛 |
役割 :参考人
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参議院 | 2025-05-08 | 法務委員会 |
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今委員が御指摘のとおり、アメリカは五十州ございますし、連邦もあるということで、法域ごとにかなりルールが異なるわけでございますが、一部の法域においては、データを提供させるに当たっても、まず第一段階として事業者からデータを提出させて、その上で更にそのデータを選別する過程を二段階目として設ける法域というものもございます。
ただ、それはアメリカの全法域で一般的に行われているものではなくて、私自身が認識している限りでは、アメリカも多くの法域においては、日本と同様に、一度裁判官の令状審査をかませてデータを提供させて、その上で被疑事実に関連するデータを捜査機関側で精査し使っていくという一段階の仕組みになっているというふうに認識はしております。
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